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第三話 スタビライザー
今回は「サーキットの狼」で有名になった(古い!?)スタビについてです。
「車高調KIT」や「ピロテンションロッド」等に比べると高価なワリに パイプを曲げただけの地味〜なパーツに見えてしまうスタビライザー。
ですがこのスタビが無いと実にコーナリング時の安定性やコーナリング性自体が大きくスポイルされてしまうことをご存知ですか? また、チューニングパーツとして売られているスタビを装着したことがある方はその効果を身を持って体験されていると思います。
スタビライザーは独立懸架サスペンションの左右のアームの逆位相の動きを抑える為のトーションバーで ネジられた時の反力を利用しています。 このスタビがエライのはコーナリング時等左右のアームが逆に動く時のみしか作用しないことです。
つまり通常車のロール量を抑える時はバネ(スプリング)を硬くします。 しかしバネを硬くしただけでは乗り心地が悪くなったり あまりに硬いとタイヤに荷重が掛からなくなりスライドしやすくなります。
そこでスタビの登場!となります。
最近はSタイヤをストリートで装着する車も増えて、峠や環状線でも格段にコーナリングスピードが速くなってきました。 「タイヤが踏ん張る」ということはバネやショックに掛かる荷重が多くなり、逆にロール量が増える方向になってしまいます。 一定のロール量は必要なのですが過度のロール量は心理的負担とコーナリング時の限界性能を下げることになってしまいます。
そこでグリップを増やした分、ねじり荷重の大きなスタビに変えるとコーナリング限界が向上し扱いやすくなります。
また前後の太さを調整することでオーバーステア・アンダーステアの特性も変化させることが可能です。
この特性をチューニングする為にワンメイクレース等では数種類のスタビを用意して色々な組み合わせでテストを繰り返します。 またGTカーやGr.A等ではスタビを室内で調整できるようになっており、セッティングの時間をグンと短縮させています。
ちなみにS13シルビアのレースカーはフロントでノーマル比250%前後の強化品を使用しますが(富士スピードウェイの場合) バネはストリートと2kg/cm程度しかレートは変わりません。 逆にこれ以上のバネやショックの減衰力アップはクルマが跳ねてしまい非常に扱いにくくなってしまうのです。
ちょっと古めの車に乗っている方に役立つ話をここで一つ。
スタビにも効き始めるまでのレスポンスタイム、というのがあって 最近のGTR等はスタビとアームの連結に純正でピロを使用したりしてリニアな効きになっていますが 実はちょっと前まではロッドの上下にブッシュが4つくらい挟まっていてそれを締め込むタイプが主流でした。
でもこのタイプだとゴムブッシュが古くなって割れたり痩せたりしていると 車がロールし始めて少ししてからスタビが作用するという時間差が発生してしまうのです。 スタビブッシュとかまぼこブッシュを新しくするだけでハンドリングが数段良くなる車も多く見受けられます。
もし初期のロールが気になっている人は是非お試し下さい。
またアバンテではパーツ設定のない車種のワンオフスタビライザーや 現在より強度UPできる商品等のご相談も受け付けておりますのでご連絡下さい。
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